ナショナルスタッフより

2025.02.06

三菱ふそうトラック・バス

Mitsubishi Monitor「Global Spotlight」

インド国旗"

出身国:日本
現在の勤務地:インド

インドを紐解く:MFTBCのディレクター、仕事を通して文化を学ぶ

多国籍チームの管理

三菱ふそうトラック・バス株式会社(MFTBC)はダイムラートラックの一員として、同じダイムラートラックグループの一員であるダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ(DICV)と協業し、製造・製品開発に取り組んでいます。

私は2021年に日本のMFTBCから、インドのチェンナイ市オラガダムに所在するDICVの本社でもある製造工場に赴任しました。敷地面積が400エーカー(160ヘクタール)を超え、4,000人以上の従業員が働く工場です。

私が管理するチームのなかには、350人の国際色豊かなメンバーが製品開発に取り組む大規模なものも存在します。インドでは二人の部長、日本では4人の統括部長を直接監督していますが、直属の部下であるインドの部長は「できません」、「不可能です」という言葉を決して口にしません。人口14億を抱える競争社会のインドでは、それがごく当たり前の言動なのです。多国籍の従業員と仕事をするうえで鍵を握るのは、文化の違いに対する認識と尊重であると私は考えています。なぜなら、文化はビジネスの進め方において重要な役割を担っているからです。

毎日が新鮮

私は、岐阜県高山市で育ち、早稲田大学で機械工学を専攻し、主に大型車輌用ディーゼルエンジンの燃焼最適化に関する研究に取り組みました。1999年にMFTBC(当時は三菱自動車)に入社し、大型トラックのプロジェクト管理チームでキャリアをスタートしました。

以前より海外赴任は希望していましたが、インド赴任の機会が訪れたのは、コロナ禍の真っ最中だったため、現地に向かう飛行機はほぼ貸切り状態でした。これが、これから始まる驚きと貴重な学びに満ちた、胸おどる経験のスタートでした。

ここインドでは、一日として同じ日はありません。赴任して3年になりますが、今でもインド文化について、日々学びながら過ごしています。例えば、今でこそ分かるのですが、ホテルやレストランで何かを注文した時に「1分お待ちください」と言われたら、一日中待っても料理は出てこないかも知れません。「月曜日に」と言われたら、その約束は果たされることがないかもしれません。

そして、食に関しては、私の暮らすチェンナイで日本食を見つけるのは、とても難しく、あったとしても非常に高価です。ここでは、辛いベジタリアンカレーが人気なのですが、私は常に、おいしいチキン料理を見つけることにアンテナを張っています。でも、これも辛いことに変わりはないのですが。

このような日々の学びの中で、私がインドで得た最も貴重な学びは「どんな文化の違いも丸ごと受け入れる」ということです。様々な経験を通じ、今、私は、将来、機会があればぜひともまた他の国でも働いてみたいと強く思っています。

チェンナイの南150kmに位置する観光地ポンディシェリの最も有名な見どころのひとつである、アルルミグ・マナクラ・ヴィナヤガー寺院前にて同僚と。

成長に焦点を

インド最南端に位置するタミル・ナードゥ州の州都所在地であるチェンナイは、州内最大となる人口約700万人の多民族、他宗教都市です。当社のオフィスはほかの自動車メーカーやサプライヤーが軒を連ねる工業地帯にありますが、農村地域に囲まれており、牛を見かけることも珍しくありません。インドでは外国人の運転が認められていないため、無秩序な大渋滞のなかを、朝は約1時間半、夕方は2時間から3時間かけて送迎をしてもらっています。

近年、インドの健全な経済成長は世界の注目を集めています。当社の業務を推進するビジョンは成長、価値創造、変革を支柱としていますが、とりわけ私が重視しているのは成長です。私は、インドの経済見通しと日本の高齢化社会を考慮し、日本・インド間の協力は不可欠であると考えています。

三菱ふそうトラック・バス株式会社の新海 秀幸が勤務する、インド・チェンナイ市オラガダム所在のダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ(DICV)工場

インドのDICVオフィス内部

チェンナイで人気の激辛で香り高いナートゥコーリーコランブ(カントリー・チキン)。挽きたてのスパイス、エシャロット、トマト、生姜、唐辛子、ココナッツなどが原料。(出典:incredibleindia.gov.in)

インタビュアー写真

新海 秀之

三菱ふそうトラック・バス株式会社

開発本部 エンタイヤ―ビークル開発統括部長

https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/

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