若手社員登場

2025.05.08

三菱鉱石輸送

チャレンジ精神旺盛な若手社員が考えていることを紹介します。

仕事のピンチはどうやって乗り越える?

2019年に入社し、営業グループに所属する飯田 千波さんと常世 麟太郎さんに話を聞きました。

三菱鉱石輸送株式会社

チリ共和国アタカマ鉄鉱石を八幡製鉄(現日本製鉄)向けに輸送するため、三菱商事、三菱鉱業(現三菱マテリアル)などの共同出資により設立、1964年に現社名に変更。船主業や船舶管理業を軸に、ばら積み船、自動車専用船など約20隻を展開。良質な海上輸送サービスと、高い船舶管理技術を提供する。

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飯田 千波  CHINAMI IIDA

2019年入社。営業グループ 営業チーム
「母も海運関係の仕事をしていたことや、学んだ語学を活かして世界を相手にやり取りできることに魅力を感じて入社しました。顧客の荷物を無事に、安全に届けるためにがんばっています」

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常世 麟太郎  RINTARO TOKOYO

2019年入社。営業グループ 営業チーム
「海運業は目立ちませんが、縁の下の力持ちとして社会を下支えする実感のある仕事。トラブルの対応をする際は、関係者が真摯に取り組んだ姿勢を、顧客に伝えることを心がけています」

「これを経験したら成長できる」と自分を鼓舞

数年に一度、新卒採用を行う三菱鉱石輸送で、2019年に入社した精鋭が飯田 千波さんと常世 麟太郎さんの二人。

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飯田 千波さんは入社後、船舶管理グループでおもに潤滑油や船用品の手配、同社と契約するフィリピン人クルーの証明書手配などを担当。2023年9月から、営業グループ営業チームに所属。おもな業務は、同社が顧客に貸し出す船舶のオペレーションや運航者としての本船の運航業務。船主としてのオペレーションは、用船の顧客対応や、トラブル・クレーム対応、運航者としてのオペレーションは、荷主である顧客と、船を操る船長とのあいだに立って電話やメールで指示や要望を伝えたり、次の目的地までに必要な燃料を停泊地で手配したり、運賃計算などを行うことなどがある。さらに用船の顧客対応や、トラブル・クレーム対応も担う。

飯田さんが担当する船舶は5隻。顧客には日本のほか、オーストラリアやシンガポールの企業もあり、保有船は鉄鉱石や穀物のほか、紙の原料になるウッドチップや自動車などを積んで世界中を航行している。

「どの船も24時間365日動いていますから、夜間に緊急連絡が来て対応が必要になることも珍しくありません。でも、私は入社時からそうした業務に携わってきたので抵抗感はなく、むしろ楽しんで仕事をしています」(飯田さん)。
もちろん、休暇中はほかのメンバーに仕事を任せるが「逆に休みのあいだもあまり気を抜きたくなくて、担当する船の状況をチェックしてしまうんです」と笑う。

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トラブルのなかでもとくに重大なのは、船のメインエンジンが故障して航行に支障が出てしまうことだ。会社の収益に影響するだけでなく、顧客にも多大な迷惑をかけてしまう。そうしたケースでは、社内の海務・工務部門と連携し、外部の機械メーカーにも依頼して、船へ修理の指示を行う。
顧客への状況説明は飯田さんの役割だが、トラブルの原因は専門的・技術的な内容が多いため、顧客に正確に伝えることはとても難しい。

「でも『これは必ず自分の経験になる』と考えれば、困難な案件にも前向きに取り組めます。実際に、何も起きなければ何も学ぶことはできないですからね」と飯田さん。関係者と連携してトラブルの影響を最小限におさえ、担当する船が無事に出港したときの達成感が大きなやり甲斐だ。

壁を超える力は「責任感」課題は「巻き込み力」

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常世さんは人事・総務グループで株主総会やIT管理、外国人スタッフのサポートなどを担い、2022年4月に飯田さんと同じ営業グループ営業チームへ異動。顧客とのやり取りや、船舶へのオペレーションを担っている。常世さんが担当しているのは、自動車専用船が2隻と、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶ、「ばら積み船」と呼ばれる船が1隻だ。

「当社の船はヨーロッパから南米チリまで、文字どおり世界中を航行していますが、船に機械的なトラブルが起きたり、荒天で積荷が海水をかぶったり、港の設備の問題で積み下ろしが遅延したりなど、お客さまへの説明や現地での手配をしなければいけない案件は数多くあります」(常世さん)。

とくに難しいと感じるのは、船舶の安全航行を目的とした海運の条約や、港湾規則などの制限によって、「少しでも早く、多く荷物を届けたい」という顧客の要望に必ずしも応えられないケースがあることだ。

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「もちろん規則は遵守しなければなりません。ですから、お客さまが利益を追求でき、私達も安全第一の精神を守りながら要望に応えられる提案をすることが、一番求められている仕事だと考えています」と表情を引き締める。

トラブルを乗り越える力となるのは、どんな業務も強い責任感を持って取り組めるという自身の強み。落ち着いていったん立ち止まり「ここで自分に何ができるか」を考え抜くことだ。
「反面、人を頼るのが苦手なことが課題(笑)。ぶつかった壁の解決策を持つ人もいるはずなので、もっと積極的に人を巻き込む努力をしているところです」(常世さん)。

自然のなかで時間を忘れてエネルギーをチャージ

中高生時代から筋トレや水泳などを続けている飯田さんが、3年前から本格的に始めたのがサーフィンだ。先に始めていた友人に師匠を紹介され、たくさんの仲間とも出会うことができた。厳冬期も含めた通年、多い時期は週に一度海に出かける。

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2025年初乗りの際の一枚。波が小さくてもロングボードでゆるりとサーフしながら、友人とおしゃべりを楽しんでいます。

「サーフィンの面白さは日によって海の表情がまったく違うこと。荒れている日の大きな波は魅力的ですが、当然危険も伴います。逆に湖みたいに静かな日は、プカプカ浮かびながら仲間とおしゃべりするだけのこともあります。それに今の生活のなかで、唯一サーフィンをするときだけは、携帯電話を持っていないんですよね」(飯田さん)。

「自分は水のなかにいることが好きみたい」という飯田さんにとって、海と対話し、エネルギーを充填できるサーフィンは欠かせないものになっている。

一方、常世さんが最近ハマっている趣味はスキー。もともと温泉好きで各地の温泉地巡りを楽しんできたが、昨年冬に「せっかく来たのだからほかにも何かしたいな」と思い、挑戦したのがきっかけだ。

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今年3月、尾瀬岩鞍スキー場での一枚。想像以上にレベルが高いスキー場で下りてくるのにひと苦労でしたが、美しい景色を堪能できました。

「スキーは高校や大学の授業で少し教わっただけですが、改めて滑ってみたら意外なほど楽しくて。それから自分のスキーウェアを買い、道具は借りてスキーを続けています」(常世さん)。2年目となる今シーズンは、猪苗代や草津、尾瀬などに足を運び、温泉とスキーの旅を満喫してきた。

「ほぼ初心者なので、人から見れば危なっかしいと思いますが、冷たい空気をスーッと切り裂いて滑るのは本当に爽快です。ゲレンデでひと休みしてきれいな景色を眺めたり、写真を撮ったりする楽しさも発見できました」と、すっかり夢中になってしまった様子だ。

帰港したクルーとの語らいが何より楽しみ

二人に仕事のモチベーションを尋ねると、「担当する船を訪船すること」と同じ答えが返ってきた。

船は一度出航すると、日本に帰るのは数カ月から1年以上も先になる。そのため、日本の港に入港したときは足を運び、船長やクルーと顔を合わせて航海の無事を喜び合い、困っていることはないかを尋ねたり、感謝を伝えたりする。二人にとって何よりの楽しみであり、「この仕事をしていてよかった」と実感するひとときだ。

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「政情や環境問題などと密接につながる事業で、自分の仕事が世界の一部であると、常に実感できるところが好きです」(飯田さん)。
「学生の頃から国際的な仕事がしたいと考えて、第一の選択肢が運輸業でした。陸海空それぞれ見ましたが、モノが大きく、社会貢献度も大きいのが船を選んだ決め手ですね」(常世さん)。

海運業界はスケールの大きさが魅力。そのワクワク感は、責任ある仕事に取り組む二人にとって大きな支えだ。

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